次期ホテル王として戻ってきたイジワル幼馴染に溺愛されています
「んっ、……ぅ、」

 何度も変えて唇を重ねられ、ついには唇を舐められる。びっくりして口を開けば、厚ぼったい舌が滑り込んできた。

「たっ、ちゃ、……んんッ」

 ぴったりと唇が合わさり、口の中を好き勝手に舐め回されてぞくりとしたものが背中を駆け抜けていく。敏感な上顎も舌の根も余すことなく舌で愛撫されて、唇が離れたときには息が上がっていた。

「……さ、映画でも観ようか」
「へ……」

 甘ったるい空気を払拭するように彼が言う。
 思わず呆けた声を出せば、彼がニヤリと口角を上げた。さながら、ドラマに出てくる悪人のようだ。

「なにか問題でも?」
「な……い、けど……」
「さすがに、手の早い男だと思われたくないからな。今日は何もしないよ」

 そう言って、彼がリモコンを操作する。
 私は早くなった鼓動を落ち着かせようと、大きく息を吸った。
 それなのに。

「んっ」

 呼吸を邪魔するように、また口づけられる。彼は私の体を引き寄せると膝の間に収めた。
 手持ち無沙汰に私の髪を弄りながら、画面を動かしている。やがて、少し前に話題になった新作映画を再生し始めた。
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