次期ホテル王として戻ってきたイジワル幼馴染に溺愛されています
「達成さん!? 顔、真っ白です!」
「すみません……。仕事が大詰めで……。連絡もできなくて……」
「そんなことはいいです! とにかく、ベッドに!」

 やつれた様子で笑顔を浮かべようとする彼の体を押す。私は無理やり部屋の中に入ると、彼を寝室まで引っ張った。
 途中、リビングを通ったら、テーブルの上は資料だらけで、私は頭が痛くなりそうだった。

「もう、どうしてこんなになるまで……」

 彼をベッドに寝かせ、肩まで布団を掛ける。寝ている暇なんてない、という彼の額をぺちんと叩いた。

「寝てください。どうせろくにご飯も食べていないんでしょう?」
「それは……まぁ……」
「来週は記念パーティーも控えてるんです。主役がいない、なんてことになったら大問題になりますよ!?」

 それでも無理やり体を起こそうとする彼をベッドに押し倒す。暫くそんな攻防が続き、無我夢中で彼を押し返していたら、気付けば馬乗りになっていた。

「ごめんなさい、私っ」
「いや、いいよ。随分、大胆だなとは思ったけど」
「これは……! たっちゃんが動こうとするから」
「分かってるよ」

 ぐいっと腰を抱かれて引き寄せられ、彼の胸と自分の胸がぴたりとくっつく。そのまま力強く抱き締められ、頭を撫でられた。
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