次期ホテル王として戻ってきたイジワル幼馴染に溺愛されています
11 過去から続く愛
 創立記念パーティーは午後七時から開場し、午後八時からスタートする。
 そこから二時間、立食パーティーが行われ、ステージでは数ヶ月前にロイヤル・ローズ東京の代表取締役に就任した達成さんからの挨拶が用意されていた。その挨拶では、今後のロイヤル・ローズをどうしていくのかという発表も行われる予定で、今回の目玉でもある。

 既にロビーは朝から人がごった返していて、フロントスタッフもコンシェルジュもてんやわんやだった。
 特に地下は、通常業務をこなしつつパーティーに向けた準備もしなければならないということで戦場になっている。
 たくさんの怒号が飛び、料理を持ったスタッフや花を抱えたスタッフが地下を行き来する。
 私も夕方からは地下に入り、会場に運ばねばならない料理や備品などを運搬していた。

「これ、持っていっていいですか?」
「お願いします」
「あー、待って! ついでにテーブルクロスも! さっき汚れたから替えてほしいって連絡が来てて」
「わかりました」

 もはや持ち場に関係なく、スタッフが慌ただしく地下と会場を行き来する。
 パーティーはパーティーとして行わねばならないが、通常の宿泊業務だって手を抜けない。サービスの質が低下して、クレームに繋がる事態だけは避けなければ、とみんな躍起になっていた。

「宮園さん、上に行ったら、あと何が足りてないか見てくれる?」

 次々と依頼が飛んできて、それらをひとつひとつこなしながら準備を進めていく。
 気付けばあっという間に開場時間になっていた。
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