次期ホテル王として戻ってきたイジワル幼馴染に溺愛されています
「本日は創立記念パーティーにご参加いただきありがとうございます。チケットをお預かりしてもよろしいでしょうか?」
案の定、開場してすぐは受付カウンターがいっぱいになってしまい、本来カウンターに立つ予定のなかった私まで受付業務をする羽目になってしまう。
必死で受付を捌いていたら、あと五分で八時になろうかという時間まで迫っていた。
「ごめんなさい。私、このあと会場の見回りなので……」
あとはよろしくお願いします、と他のスタッフに引き継いで会場に入る。
会場に足を踏み入れると、既に多くのお客様で賑わっていた。
――あれは、確か大手飲料メーカーの社長では……。
受付業務をしていたこともあって、ざっと見渡しただけでも錚々たるメンバーがいることが伺える。
私はその人たちの交流の邪魔にならないよう、壁際に立った。
ほどなくして、会場の照明が落ち、ライトアップされたステージだけが暗がりの中で浮き上がる。
BGMとしてかかっていたクラシック音楽が止まり、会場がしんと静まり返った。
「ただいまより、ロイヤル・ローズ東京の創立百周年記念パーティーを行います。まず初めに、ロイヤル・ローズを統括する広瀬寿史会長からの挨拶です」