次期ホテル王として戻ってきたイジワル幼馴染に溺愛されています
「僕はここに来たばかりです。まだこのホテルのことをよく知らない。だから、このロイヤル・ローズ東京のことをよく知りたいと思っています。百周年の創立記念パーティーはもちろんのこと、改修工事も次の周年記念に向けて、同時に行うことになっている。そのアイデア出しも兼ねながら、このホテルの現状を教えて欲しいんです」

 改修工事のことは私も知っている。
 いくら清掃を入れ、細やかな改修をしているとはいっても、建物そのものは古くなっていくし、中に入っているテナントやサービスなどは変わり映えしないものになっていく。
 古い時代のままの内装やサービスをいいと言ってくれる人もいるけれど、常連客にとっては、そろそろ飽きが来る頃だろう。
 それに、利用者も世代交代する。
 最近では外国人観光客や若年層の利用も多く、いまのままでは周りに取り残されてしまうのも時間の問題だった。

「分かりました。ホテルを案内しつつ、記念パーティーの案を練りましょう」
「ありがとうございます。助かります」

 達成さんとともに経営推進室を出て、彼の手の中にあるバインダーの項目に沿って設備をチェックしていく。

 今回、従業員エリアは最後の最後に回されるのと、定期的に設備の入れ替えなどがあるため、今回は除外とのことだった。
 早速、フロントへと上がり、人通りの邪魔にならないところに立つ。
 すると、スタッフ一同、突然現れた新任社長に目を丸くした。
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