次期ホテル王として戻ってきたイジワル幼馴染に溺愛されています
「ここから先はVIPエリアです。常に改修が入っていて、客室の調度品も入れ替えています」
「今現在、空き部屋はありますか?」
「本日は満室ですね……。もし客室をご覧になりたいようであれば別日に。あと、二十五階のロイヤルスイートはほぼ稼働がないので、定期的に清掃は入ってますが、ほぼ管理という管理はしていません」
「そこは大丈夫ですよ。よく知ってますから。では、二十六階のバーと屋上プールへ向かいましょうか」

 エレベーターを使い、二日前、彼と一緒に飲んだばかりのバーへ向かう。

 二十六階はエレベーターを降りてすぐにスカイラウンジという形でソファーを並べているが、すぐ傍にバーがあるため利用率は低い。
 また、バーとは銘打っているものの食事も提供しているため、ほぼレストラン状態だ。カジュアルにお酒や料理を楽しめるため、VIP客からの評判もよい。
 その他、二十六階には屋上プールやジム、休憩室が設けられていた。

「先日バーを利用しましたが、いち顧客として、居心地はいかがでしたか?」

 隣に立つ達成さんに問われ、私はんー、と考える。
 真面目に考えなければならないのに、この前の記憶がふわりと浮かんできて、私は慌ててその思い出を打ち消した。

「とってもよかったです! ただ……」
「ただ?」

 達成さんが私の顔を覗き込むように体を傾ける。素直に告げていいものか悩んでいると、早く言え、と言わんばかりにじっと見つめられた。
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