次期ホテル王として戻ってきたイジワル幼馴染に溺愛されています
 にこりと微笑まれ、息を呑む。
 他の意味も含んでそうな言い方に、不覚にもドキリとしてしまった。

「そんな、ことは……。これぐらい、他のコンシェルジュだって言えます」
「そうでしょうか。あなたはお客様のことも、ホテルのことよく見ていると思いますよ」

 普段、言われ慣れないような褒め言葉に、じわじわと頬が熱くなる。
 お客様に感謝されることはたくさんある。だけど、これはまた違った嬉しさがあった。自分の仕事ぶりを、コンシェルジュとしての姿勢を褒められている気がして、むず痒い。

「今回のことは、次回の会議で共有しましょう。ありがとうございました」
「いえ、こちらこそ、ありがとうございます」
「時間も時間ですし、周年記念パーティーのことはまた別日に。それより、このあと時間はありますか? ちょうど昼休憩に割り当てられていたように思うのですが」
「なんで私のシフトを知っているんですか!?」
「従業員のシフトを把握するのは当然のことでしょう?」
「うっ……」

 ――やっぱり、公私混同じゃない!
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