次期ホテル王として戻ってきたイジワル幼馴染に溺愛されています
04 第三者から見た二人
「はー、疲れた。もう毎日忙しくて気がおかしくなりそう」
久々に実家に帰ると、私はキッチンに立つ母の背に向かって愚痴を零していた。
郊外にある実家は、私が勤めている都内のホテルから一時間以上離れている。そのため、普段はホテルの近くに借りたマンションから職場まで通っていた。
頻繁に実家へ帰る方ではないけれど、今日はどうしても甘やかされたい気分で、私は仕事が日中上がりだったのをいいことに、実家へ帰ってきていた。
それともう一つ、母には大切なことを話さなければならない。
「そんなに忙しいの?」
「まぁ、仕事はそこまででも……。でね、お母さん、私、その……」
ソファーからリビングの椅子へと移動し、背筋をピンと伸ばして椅子に腰掛ける。
テーブルの上で不自然に何度も手を組みながら、母に伝えるべき言葉を探していた。
「あのね、すごく言いづらいんだけど……」
「言いづらいことなら言わなくてもいいわよ」
キッチンからやってきた母が、テーブルの上に揚げたてのからあげを置く。
私の大好物で、帰省するときは必ず用意してくれるものだった。
「それに、あなたの左手薬指を見れば分かるもの」
「うっ……」
母がふふふ、と笑う。咄嗟に手をテーブルの下に隠したけれど、もう遅い。
私はんん、と咳払いすると、ごめんね、と一言謝った。
「どうして謝るの?」
「だって、紹介だってしたのに……」
「そんなのはどうでもいいわよ。柚希が悲しんでいなければそれで」
「えっ……?」
「その顔を見るに、今はそこまでダメージを受けてないんでしょう? むしろ、それ以外のことで悩んでいるように見えるわ」
「なんでそういうの分かっちゃうの……」
久々に実家に帰ると、私はキッチンに立つ母の背に向かって愚痴を零していた。
郊外にある実家は、私が勤めている都内のホテルから一時間以上離れている。そのため、普段はホテルの近くに借りたマンションから職場まで通っていた。
頻繁に実家へ帰る方ではないけれど、今日はどうしても甘やかされたい気分で、私は仕事が日中上がりだったのをいいことに、実家へ帰ってきていた。
それともう一つ、母には大切なことを話さなければならない。
「そんなに忙しいの?」
「まぁ、仕事はそこまででも……。でね、お母さん、私、その……」
ソファーからリビングの椅子へと移動し、背筋をピンと伸ばして椅子に腰掛ける。
テーブルの上で不自然に何度も手を組みながら、母に伝えるべき言葉を探していた。
「あのね、すごく言いづらいんだけど……」
「言いづらいことなら言わなくてもいいわよ」
キッチンからやってきた母が、テーブルの上に揚げたてのからあげを置く。
私の大好物で、帰省するときは必ず用意してくれるものだった。
「それに、あなたの左手薬指を見れば分かるもの」
「うっ……」
母がふふふ、と笑う。咄嗟に手をテーブルの下に隠したけれど、もう遅い。
私はんん、と咳払いすると、ごめんね、と一言謝った。
「どうして謝るの?」
「だって、紹介だってしたのに……」
「そんなのはどうでもいいわよ。柚希が悲しんでいなければそれで」
「えっ……?」
「その顔を見るに、今はそこまでダメージを受けてないんでしょう? むしろ、それ以外のことで悩んでいるように見えるわ」
「なんでそういうの分かっちゃうの……」