次期ホテル王として戻ってきたイジワル幼馴染に溺愛されています
「ああ、いいですね。よくお似合いです」

 リビングに戻ってきた達成さんがにっこりと笑う。

 似合うも何も、サイズすら合っていないのに……と思うのに、達成さんは何故か上機嫌に私のことを褒めた。

「シャツが直るまでの間、ここで夕飯でもとりましょう」
「いやいや! さすがにそこまでは……!」
「僕がいいと言ってるんです。それに、この前、ランチを一緒にとりそびれました」

 だから是非一緒に、と勧められたら断れないし、そもそもいまの格好ではホテルの中をうろつけない。
 正直、申し訳なさでいっぱだけれど、ここは素直に甘えるべきだろう。こくんと頷けば、達成さんに手を引かれた。

「よかった。さっき、ワイシャツを渡したついでに食事もお願いしたんです」

 ダイニングテーブルに備え付けられた椅子を引かれ、座るように促される。

 私はマーブル模様の入った大理石のテーブルに、一体いくらするのだろうか……と、品のないことを考えてしまった。
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