次期ホテル王として戻ってきたイジワル幼馴染に溺愛されています
「なんで私と!?」
「僕の恋人でしょう?」
「それは、仮の、であって……」
「まぁまぁ」

 穏やかな口調で言いつつも、押し切ろうとする圧が強い。
 反論しようと口を開きかけたとき、部屋のチャイムが鳴った。

「食事が来たようなので取ってきます」

 結局、彼の言葉を訂正する時間を与えられず、達也さんは食事が乗ったワゴンを玄関先まで入れ、大きなトレイに乗せて食事を運んでくる。

 透明なクロッシュは温かな料理から立ち昇る湯気で真っ白になっている。その下に何があるのかはよく見えず、料理がテーブルに並ぶまでの間、じっと見つめてしまった。

「そんなにお腹、空いてました?」
「だって、うちの料理、とってもおいしいじゃないですか」

 新人研修のとき、どんな料理がお客様に出されているのかを知るための一環で、ランチを振る舞われたことがあった。
 そのときに食べたスープやパン、メインディッシュは絶品で、今でもその感動を覚えている。
 それ以降、なかなか口にする機会がなかったため、つい興味を引かれてしまった。
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