愛とプライドとバベルの塔
「えっ?何?!二人声揃えて。」
「主任、それ本気で言ってる?!」
わたしがそう言うと、竹内主任は本気で何のことなのか分かって居ない様子だった。
それもそのはずだ。
南田さんは竹内主任のことが好きで、竹内主任の前では"仕事してます"アピールに「わたしに任せてください!」の言葉、それから45歳にして痛いブリっ子、、、
竹内主任は、完全に南田さんに騙されているのだ。
「主任、人見る目ないっすね。」
「無いわ〜。」
阿久津さんと二人でそう言うと、竹内主任は「何だよ、二人して。」と言いながらも、「二人とも、何気に気合うんじゃない?」と言い出してきた。
「そういえば、女性にこんなこと訊くのも失礼かもだけど、、、小田桐さんって何歳なの?」
「30ですよ。」
「え!マジ?!俺も何だけど!」
阿久津さんとは部署が同じで少し話しをしたことはあったが、こんな半年も経ってから同じ歳だと気付くなんて、今更過ぎた。
「何だよ、今更知ったの?!」
そう言って、竹内主任は笑う。
こうして、わたしたちの休憩時間が被った時は、度々三人揃ってバックルームで愚痴ったり、他愛もない話しすることが、ほんの少しのストレス解消になっていた。
しかし、そんな姿を陰から見ていた人物が居たことに、この時のわたしはまだ気付いていないのだった。