愛とプライドとバベルの塔

その後、わたしは黒松さんとの話を終え、クリスマスカードの準備のあとに手帳の売場を作っていた。

すると、阿久津さんがやって来て「大丈夫?手伝おうか?」と言ってくれた。

「あぁ、じゃあ、カレンダーの方お願いしてもいいですか?」

わたしがそう言うと、阿久津さんはわたしの方をふと見て「何かあった?」と訊いた。

「えっ。」
「あ、いや、俺の勘違いだったらごめん。」
「、、、何か、ありました。」

わたしがそう答えると、阿久津さんは心配そうに「え?どうしたの?」と言った。

「、、、さっき、あっちでクリスマスカードの準備してた時に黒松さんが来て、、、竹内主任と不倫してるんでしょ?って言われたんです。」
「はぁ?!」
「竹内主任が既婚者なのは知ってるし、そんな関係じゃないのに、、、ただ、仲が良いだけで、そんな噂が流れてたみたいで。」
「でも、仲良いだけで何でそんな風になるんだよ。腹立つなぁ。」
「、、、南田さんが、噂を流してるみたいです。黒松が言ってました。」

わたしが手帳を棚に並べながらそう話すと、阿久津さんは明らかに苛つきを見せ舌打ちをした。

「何だよ、あのババア。そんな嘘の噂流しやがって、、、小田桐さんが働きづらくなるじゃんか。」

そう、阿久津さんの言う通り、わたしは働きづらくなる。

まだ半年そこそこしか働いてない小娘の話よりも、勤続年数も長く猫を被って上層部に気に入られている南田さんの言う話の方がみんな信じてしまうのだ。

この先、わたしはどうなるのだろうか、、、

< 16 / 38 >

この作品をシェア

pagetop