愛とプライドとバベルの塔
その後、休憩あとにわたしは再び竹内主任の立会の元、蟹江課長に呼び出された。
「忙しいのに、呼び出して悪いね。」
「今時期、忙しいのは課長も分かってますよね?申し訳ありませんが、手短にお願いします。」
わたしがそう言うと、蟹江課長は「じゃあ、単刀直入に言うよ。」と言うと、ソファーの背もたれに寄りかかり足を組むと「小田桐さんには、違う店舗に異動してもらう。」と言い出したのだ。
「えっ?!」
そう先に驚いたのは、わたしよりも竹内主任だった。
「蟹江課長、それはなぜですか?!」
「いやぁ、南田さんと話したら、南田さんがそんな噂を流した事実はないって言うし、何なら、小田桐さんは竹内主任と不倫しながら、阿久津くんとも付き合ってるんだって?そんな人を、、、ちょっとこの店に置いておくわけにはいかないんだよ。」
蟹江課長の言葉に、わたしは開いた口が塞がらなかった。
竹内主任と不倫してる上に、阿久津さんと付き合ってる?
何それ、、、
それって、ただ南田さんが作り上げた話じゃない!
何でこっちの言い分は聞いてくれないで、南田さんの話だけを信じるの?!
「課長、、、それは、南田さんが言ってたんですよね?」
「うん、風の噂で聞いたって言ってたよ。」
わたしは何だかもう悲しいやら、怒りたいやら、感情がグシャグシャになり、俯き泣いてしまった。
すると、竹内主任が「蟹江課長、それは酷すぎませんか?南田さんの話だけで、小田桐さんを異動させるだなんて。」と言ってくれた。
「でも、事実なんだろ?それから、仕方ないだろ。」
「違います!阿久津くんと小田桐さんのことは分かりませんが、俺との不倫の事実なんてありません!逆に何で事実だなんて言えるんですか?!何の証拠も無いじゃないですか!」
「だって、南田さんが嘘つくわけないだろ。」
そう言う蟹江課長の言葉に竹内主任は、わたしと同じく開いた口が塞がらない状態になっていた。
何で?わたしが何で異動?
わたし、異動させられるような何かした?