愛とプライドとバベルの塔

「それで?南田さんは、何て?」

阿久津さんが竹内主任にそう言うと、南田さんは「だから、わたしは〜」と言いかけ、それに向け阿久津さんは「あなたに訊いてません。」と冷たく言い放った。

「、、、南田さんは、噂は流してないし、何なら"そんな噂を止めようとした"って。」
「はぁ?」
「阿久津くんと小田桐さんが付き合ってるって噂も、風の噂で聞いただけで自分は何の関係もないって言った。」

竹内主任は表情一つ変えず淡々と言ったが、それでも納得いかないような表情でわたしたちとは目を合わせられずにいた。

「南田さん、、、嘘はやめてもらえますか?あなたのせいで、今、小田桐さんがどれだけ傷付いてると思ってるんですか?!」

阿久津さんが声を荒げると、45歳にもなる南田さんは口を尖らせ「阿久津くん、わたしを疑ってるの?酷ーい。」と甘えたような声で言った。

「だって、あんたのせいだろ?!あんたの勝手な嫉妬で、アリもない噂を流して!」

そう言い欠けたところで、竹内主任は「阿久津くん、もうやめなさい。」と冷静に阿久津さんの言葉を止めた。

「はっ?じゃあ、竹内主任は南田さんの味方をするんですか?」
「違う。俺は、、、悪いが、南田さんの言葉は信用していない。」

竹内主任がそう言うと、さっきまで余裕ぶっていた南田さんが「えっ。」と呟き、竹内主任の腕に自分の腕を絡め「竹内主任!信じてくれないんですか?!酷いですぅ!」と45歳にのおばさんとは思えないブリっ子声で言った

「小田桐さんの件に関しては、俺が悪いと思ってる。確かに他の人から見たら特別扱いしているように見えたかもしれない。」
「でも、それは三谷さんと俺が小田桐さんに仕事を教える暇がなかったからだし、、、それに主任が新人に仕事を教えることに何の問題があるんですか?!当たり前のことしてただけじゃないですか!」

阿久津さんが強めの口調でそう言うと、竹内主任はしばらく黙り込んだあと「いや、、、それだけじゃないんだ。」と話し始めた。



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