愛とプライドとバベルの塔

それからわたしは、一週間も休みをいただいてしまった。

久しぶりに出勤すると、早速南田さんが「あら、お久しぶりね。もう異動になって来ないのかと思ったわ!」と嫌味を言ってきた。

しかし、そんなのはもう気にしない。

それより、竹内主任、三谷さん、阿久津さんにお休みをいただいたお礼を言わないと!

そう思い、わたしは高井さんに「今日って、竹内主任いますか?」と訊いた。

すると、高井さんは複雑そうな表情を浮かべ、それから「実はね、、、竹内主任、異動して居なくなっちゃったの。」と言ったのだ。

「え、、、?竹内主任が、異動?え、でも、異動はわたしだけのはずじゃ!」
「竹内主任、自分から異動願を出したみたい。小田桐さんだけが、異動になるのはおかしいからって。」

わたしは高井さんの言葉を訊き、混乱した。

え、なんで、、、
自分から異動願を提出した?

こないだの電話で、何も言ってなかったのに、、、

そんな勝手に居なくなって、、、

まだお礼言えてないのに、、、
たくさんお世話になったから、「ありがとうございます」の一言くらい言わせてよ、、、

なんで、なんで、なんで、、、

わたしは、自分を責めた。
竹内主任が、異動願を提出したのは、わたしのせいだ。

わたしは涙を我慢しながらバックルームへ向かうと、陰に隠れて静かに泣いた。

ズルいよ、かっこつけすぎだよ。

あんなにお世話になったのに、何で、、、
お礼くらい言わせてくれても良かったじゃない。

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