斑くんの激重愛に抗うためには
「へい彼女、お名前は~?」
リーダーがマイクに見立てた拳を向けてきた。
ほんの数秒言うべきかためらっただけなのに、すぅっと彼から笑顔が消える。
「おい、名前」
「っ……す、おう」
「ん、スオウちゃんね。おっけい」
この感じ、ひとまずは逆らわない方が吉……かな。
私の肩に手を回したリーダーは、自分が元いた場所へと歩き出す。引きずられながら、何か策はないかと視線と思考を巡らせた。
倉庫の内装はカフェのようになっている。規則的に並べられたテーブルやソファー、カウンター席。進藤くんの言っていたこと、一応間違いじゃないみたいだ。
表に出てきている人数は、大体十人前後か。カウンターの裏にも空間がありそうだから、もしかしたら潜んでいる可能性もある。