夜の研究所探検
しかし、その声は明らかにアルトのものではなかった。
声を発したのは成人女性のように思われる──
と、そんなことを考えている間に、北斗さんは声のしたほうへ向かうべく、素早く廊下を走り出していた。
白衣の裾が翻ったが、やがて見えなくなった。
(私も追いかけなくちゃ!)
「先生」
「ひいっ!」
左側がぼうっと光るのと同時に耳元で囁かれ、恐怖で背筋が縮み上がった。
「しーっ」
「アルト! さっきのは一体……」
「何でもいいから、とにかく今は研究室に戻ろう」
アルトは、ニュータイプ研究室へと続く廊下を駆け出した。
「先生、早くっ」
「えっ、えっ⁉︎」
北斗さんが消えていった廊下と、今アルトが疾走している廊下を交互に見やった。
(ええい!)
そうして私はアルトを追いかけるほうを選んだ──