夜の研究所探検
研究室から、薄暗い廊下へと出た。
定時を過ぎたから、照明が最小限に絞られているのだ。
「さあ、どこから探検する? ……あれ⁉︎」
アルトに顔を向けて、思わず目を見張った。
「どうかした?」
不思議そうに顔を覗きこんできた。
そのアルトが、私の目には発光しているように見えている。
「暗いところにいると、いつもと違って見えるのね」
「⁇ 今のぼく、先生からはどんなふうに見えてるの?」
「そうねえ……幻想的で、まるで妖精みたい」
「ぼくが妖精?」
驚きながらも嬉しそうだ。
「なら、お化けとも友達になれるかな?」
実際のところ、科学技術分野の最先端をいくミライ創造研究所ほど、お化けの出没しなさそうな場所もない気がした。
しかし、アルトが楽しそうに空想する様子はとても微笑ましい。
(わざわざ白けるような発言をする必要もないわよね)
「どうかな?」
それだけに留めておくことにした。