夜の研究所探検

 目的地が遠目に見えてきたところで、目を凝らして中を覗いた。
 定時を過ぎたとはいえ、人がいてもおかしくない場所だからだ。
 幸いなことに無人だった。
 ついでに耳も澄ませてみたが、近づいてくる者もいないようだ。
 
「さあ、着いた。まずは1カ所目、リフレッシュスペースだよ」
「何するところ?」
「もちろん休憩よ。私は集中力が切れたときに来て、コーヒーを飲むことが多いかな」
「先生、コーヒー好きって言ってたもんね。どんな味がするの?」

 もしアルトが飲み物を口にできるのなら、カフェ・オ・レでも飲ませてあげたいところだ。
 会話をしていると普通の男の子のようなアルト(今に限っては妖精のようだけれど)。
 しかし、こういう場面では、アルトはAIだったのだと思い出させられる。

 コーヒーが飲めないのであれば、長居は無用だ。
 誰か来る前に移動したほうがいい。

「次に行こうか?」
「うん、次はどこ?」
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