二人で恋を始めませんか?
「いやー、なんかすごかったね、白瀬部長」

オフィスに向かいながら、沙和が感心したように茉莉花に話す。

「なんていうか、カリスマ塾講師みたいじゃなかった?」
「ええ? 何それ」
「だからさ、話を聞いてるうちにグイグイ引き込まれちゃうのよ。『いつでも俺のところに来てくれ』なーんて!」
「沙和ちゃん? そのセリフ、なんか違うんじゃない?」
「まあまあ、いいってことよ。難しい研修のはずが、楽しみになったんだもん」

足取りも軽くオフィスに入る沙和に苦笑いしながら、茉莉花も自分のデスクに戻る。

(さてと! 業務の合間に研修の課題もこなしていこう)

小さく気合いを入れると、早速パソコンを開いた。
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