二人で恋を始めませんか?
鎌倉
「1時間足らずか。ドライブとしてはちょうどいい距離だな」
鎌倉に着き、調べておいたパーキングに車を停めると、優樹は腕時計に目を落とした。
「それに海からも近い。デートコースとしてもいいんじゃないか」
「そうですね。今日は海から歩いて向かうルートを確認したいと思います」
「ああ。まだアポの時間には早いし、少し海辺を歩くか」
二人並んで、潮風に吹かれながら歩き出す。
サーフィンを楽しむ人や、波打ち際で水とたわむれている家族連れもいた。
「いいな、ここ。今度ドライブしに来よう」
ポツリと呟いた優樹に、茉莉花はクスッと笑った。
「本当にお好きなんですね、ドライブ」
「でも男一人で来るもんじゃないか。 休日はカップルで賑わいそうだ」
「でしたら、部長もドライブデートしてはいかがですか?」
「相手がいないから、それは無理だな」
あれ?と茉莉花は首をひねる。
(部長、彼女いなかったっけ?)
そう言えば、改めて聞いたこともなかった。
(上司にプライベートなことは聞けないもんね)
気を取り直して、マップを確認しながらカフェに向かう。
駅からより海からの方が、迷わずすんなり到着した。
「こんにちは」
「あら、清水さんと白瀬さん! お待ちしてました。どうぞ」
店長とオーナーが揃って出迎えてくれる。
相変わらず店内は空いていて、カップルが一組いるだけだった。
奥のテーブルで早速打ち合わせを始める。
「前回の内容を更に細かく詰めまして、こちらのスケジュールで進めていきたいと考えています」
茉莉花は新たに作った資料を差し出した。
家具の販売業者のカタログ、インテリアの配置、新しいメニューの提案、そして最後にホームページのリニューアルについても載せていた。
「現在お店のホームページは、アクセス数もあまり多くありません。店内リニューアルに合わせて、今後はホームページも活気づけてみてはいかがでしょうか? 具体的には、トップにSNSのページを埋め込み、毎日更新していきます。先ほどこの近くの海を見て来ましたが、サーファーや家族連れの姿が多く見られました。そういった方々への情報発信や、掲示板の役割も出来れば、ホームページも毎日見てもらえるかもしれません」
そうつけ加えた言葉は、茉莉花がさっき思いついたことだった。
来る途中で優樹に提案すると、いいと思うと賛成してくれていた。
「へえ、それはいいわね。確かに今のホームページはたいして更新する内容がないから、頻繁にチェックはされないもの。だけどお恥ずかしながら、うちのホームページは私が手探りで作ったものなの。プロに依頼するには、予算がちょっとね。だからこの案も、魅力的だけど実現させるのは難しいかも」
オーナーがそう言うと、優樹が口を開く。
「でしたらわたくしがお手伝いさせていただきます」
「え、ほんとに? 白瀬さんがやってくださるの?」
「はい。ご希望をうかがいながら、より魅力的なホームページにしていきたいと思います。SNSの更新の仕方などもアドバイスさせていただきます。もちろん、追加の料金は発生いたしません」
「助かるわ! ありがとうございます。あー、なんだかわくわくしてきちゃったわね」
嬉しそうなオーナーと店長の様子に、茉莉花も優樹と顔を見合わせて微笑んだ。
鎌倉に着き、調べておいたパーキングに車を停めると、優樹は腕時計に目を落とした。
「それに海からも近い。デートコースとしてもいいんじゃないか」
「そうですね。今日は海から歩いて向かうルートを確認したいと思います」
「ああ。まだアポの時間には早いし、少し海辺を歩くか」
二人並んで、潮風に吹かれながら歩き出す。
サーフィンを楽しむ人や、波打ち際で水とたわむれている家族連れもいた。
「いいな、ここ。今度ドライブしに来よう」
ポツリと呟いた優樹に、茉莉花はクスッと笑った。
「本当にお好きなんですね、ドライブ」
「でも男一人で来るもんじゃないか。 休日はカップルで賑わいそうだ」
「でしたら、部長もドライブデートしてはいかがですか?」
「相手がいないから、それは無理だな」
あれ?と茉莉花は首をひねる。
(部長、彼女いなかったっけ?)
そう言えば、改めて聞いたこともなかった。
(上司にプライベートなことは聞けないもんね)
気を取り直して、マップを確認しながらカフェに向かう。
駅からより海からの方が、迷わずすんなり到着した。
「こんにちは」
「あら、清水さんと白瀬さん! お待ちしてました。どうぞ」
店長とオーナーが揃って出迎えてくれる。
相変わらず店内は空いていて、カップルが一組いるだけだった。
奥のテーブルで早速打ち合わせを始める。
「前回の内容を更に細かく詰めまして、こちらのスケジュールで進めていきたいと考えています」
茉莉花は新たに作った資料を差し出した。
家具の販売業者のカタログ、インテリアの配置、新しいメニューの提案、そして最後にホームページのリニューアルについても載せていた。
「現在お店のホームページは、アクセス数もあまり多くありません。店内リニューアルに合わせて、今後はホームページも活気づけてみてはいかがでしょうか? 具体的には、トップにSNSのページを埋め込み、毎日更新していきます。先ほどこの近くの海を見て来ましたが、サーファーや家族連れの姿が多く見られました。そういった方々への情報発信や、掲示板の役割も出来れば、ホームページも毎日見てもらえるかもしれません」
そうつけ加えた言葉は、茉莉花がさっき思いついたことだった。
来る途中で優樹に提案すると、いいと思うと賛成してくれていた。
「へえ、それはいいわね。確かに今のホームページはたいして更新する内容がないから、頻繁にチェックはされないもの。だけどお恥ずかしながら、うちのホームページは私が手探りで作ったものなの。プロに依頼するには、予算がちょっとね。だからこの案も、魅力的だけど実現させるのは難しいかも」
オーナーがそう言うと、優樹が口を開く。
「でしたらわたくしがお手伝いさせていただきます」
「え、ほんとに? 白瀬さんがやってくださるの?」
「はい。ご希望をうかがいながら、より魅力的なホームページにしていきたいと思います。SNSの更新の仕方などもアドバイスさせていただきます。もちろん、追加の料金は発生いたしません」
「助かるわ! ありがとうございます。あー、なんだかわくわくしてきちゃったわね」
嬉しそうなオーナーと店長の様子に、茉莉花も優樹と顔を見合わせて微笑んだ。