二人で恋を始めませんか?
「おはようございます」

翌朝。
マンションのエントランスに下りると、茉莉花は迎えに来てくれた優樹に笑顔で駆け寄った。

「おはよう。可愛いな」

いきなり甘い言葉をかけられて、茉莉花は真っ赤になる。

「部長も、すごくかっこいいです」

Vネックの白シャツに七分袖の濃紺のサマージャケットを合わせ、髪もさらりとナチュラルに下ろしている優樹は、いつものスーツとは違ってラフな雰囲気だった。

(なんだか部長、いつにも増してダンディーなんですけど……)

茉莉花がひるんでいると、優樹はさり気なく茉莉花の手からバッグを受け取ってトランクに入れた。

「どうそ、乗って」
「はい」

ドアを開けて促され、助手席に座る。

「午前中にアクセサリーショップの予約を入れた。オーベルジュのチェックインの前に行こう」
「はい。あと部長、カフェのオーナーさんたちにも挨拶したくて。ランチはそこで食べませんか?」

するとエンジンをかけた優樹が、茉莉花に顔を向けた。

「俺はいいけど、君も構わない? 恐らく休日にこの格好で二人で行けば……」

あ……、と茉莉花は着ているワンピースに目を落とす。
いかにもデートです、と分かってしまう装いだった。

「あの、私も構いません」

頬を染めながらそう言うと、優樹は嬉しそうな笑顔を浮かべる。

「それならそうしよう」
「はい」

いつものように、優樹は丁寧な運転で走り出した。
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