鉄の女社長は離婚したいのに人たらし御曹司に溺愛される
本当の妹じゃないのに家族の顔をして入り込まないでという心境なのだろう。
必死にこの家の中に自分の居場所を作ろうと頑張っているのに、絢乃の存在が邪魔していたようだ。
絢乃より小柄な体が震えて、つらそうな泣き声が胸に痛い。
こんなにも美沙を追い込んでいたと知り、申し訳なさでかける言葉も見つからない。
(もうここに、実家のつもりで来てはいけないわね)
三条家は唯一心を解放できる大切な場所だった。
母と一緒に楽しい時間を過ごした思い出も、家のあちこちに残っている。
それを失うのはつらいが、美沙を苦しめたくない気持ちの方が勝る。
大切な三条家の家族になってくれた人だから。
「美沙さん、たくさん傷つけてごめんなさい」
嗚咽を漏らして泣く美沙の背を撫でようとした時、入口に人の気配がした。
和志が深刻そうな顔で入って来たので、横にずれて美沙の隣を譲った。
背中に手を当てられた美沙がタオルハンカチを外して和志を見る。
「話は聞かせてもらったよ。ごめんな。俺が無神経だった。親には絢乃の話をしないように言っておく。ばあちゃんはすぐ忘れるから、どうするか」
「私こそごめんなさい。勝手に劣等感を持って、みっともないってわかってるから言わなかったのに」
「美沙は悪くないよ。言えない雰囲気にしていた俺たちが悪い。ただわかってほしいのは、美沙はすでに大切な家族で欠かせない存在なんだということ。それを実感してもらえるように努力する。傷つけてごめんな」
必死にこの家の中に自分の居場所を作ろうと頑張っているのに、絢乃の存在が邪魔していたようだ。
絢乃より小柄な体が震えて、つらそうな泣き声が胸に痛い。
こんなにも美沙を追い込んでいたと知り、申し訳なさでかける言葉も見つからない。
(もうここに、実家のつもりで来てはいけないわね)
三条家は唯一心を解放できる大切な場所だった。
母と一緒に楽しい時間を過ごした思い出も、家のあちこちに残っている。
それを失うのはつらいが、美沙を苦しめたくない気持ちの方が勝る。
大切な三条家の家族になってくれた人だから。
「美沙さん、たくさん傷つけてごめんなさい」
嗚咽を漏らして泣く美沙の背を撫でようとした時、入口に人の気配がした。
和志が深刻そうな顔で入って来たので、横にずれて美沙の隣を譲った。
背中に手を当てられた美沙がタオルハンカチを外して和志を見る。
「話は聞かせてもらったよ。ごめんな。俺が無神経だった。親には絢乃の話をしないように言っておく。ばあちゃんはすぐ忘れるから、どうするか」
「私こそごめんなさい。勝手に劣等感を持って、みっともないってわかってるから言わなかったのに」
「美沙は悪くないよ。言えない雰囲気にしていた俺たちが悪い。ただわかってほしいのは、美沙はすでに大切な家族で欠かせない存在なんだということ。それを実感してもらえるように努力する。傷つけてごめんな」