鉄の女社長は離婚したいのに人たらし御曹司に溺愛される
「大野ちゃんが言うなら、そうなんだよ。旦那様にほぐされて?」
「そういう想像は失礼ですよ」
「違うって。心理的な話だから!」
秘書室内がドッと沸き、絢乃はノックを諦めた。
(名刺は、あとでもいいわね)
踵を返して社長室に向かう絢乃の頬は熱い。
会社に結婚を報告した時から、秘書たちに夫婦の情事を想像されていたのではないかと思うと恥ずかしかった。
(実際にはなにもないのに。でも、それも恥ずかしいことかしら……)
このまま昴とスキンシップを増やしていけば、そのうちベッドをともにする日がくるだろうか。
考えただけで緊張して、心臓がうるさく鼓動した。
社長室に入り、やや気まずい気持ちで秘書課に内線電話をかける。
会議が終了して戻ったことを伝えると、大野がすぐにやってきた。
「これ、立花リアルエステイト側の名刺ね。会議は顔合わせ程度で記録を残しておくほどの内容はなかったわ」
「承知いたしました」
二十九歳の大野はスッキリとした顔立ちにショートボブが似合う女性だ。
性格は真面目で落ち着きがあり、どんな時でも慌てずに仕事をしてくれるから信頼している。
(噂話には加わっていたけど、大野さんははしゃいでいなかったわね)
他の秘書を諫める側だったので気まずさは薄れたが、すぐには気持ちを仕事に戻せない。
昴の顔と秘書たちの会話が頭の中を巡っていた。
「昼食をお持ちしてよろしいでしょうか?」
「ええ」
「午後のスケジュール確認は食後にいたしますか?」
「そういう想像は失礼ですよ」
「違うって。心理的な話だから!」
秘書室内がドッと沸き、絢乃はノックを諦めた。
(名刺は、あとでもいいわね)
踵を返して社長室に向かう絢乃の頬は熱い。
会社に結婚を報告した時から、秘書たちに夫婦の情事を想像されていたのではないかと思うと恥ずかしかった。
(実際にはなにもないのに。でも、それも恥ずかしいことかしら……)
このまま昴とスキンシップを増やしていけば、そのうちベッドをともにする日がくるだろうか。
考えただけで緊張して、心臓がうるさく鼓動した。
社長室に入り、やや気まずい気持ちで秘書課に内線電話をかける。
会議が終了して戻ったことを伝えると、大野がすぐにやってきた。
「これ、立花リアルエステイト側の名刺ね。会議は顔合わせ程度で記録を残しておくほどの内容はなかったわ」
「承知いたしました」
二十九歳の大野はスッキリとした顔立ちにショートボブが似合う女性だ。
性格は真面目で落ち着きがあり、どんな時でも慌てずに仕事をしてくれるから信頼している。
(噂話には加わっていたけど、大野さんははしゃいでいなかったわね)
他の秘書を諫める側だったので気まずさは薄れたが、すぐには気持ちを仕事に戻せない。
昴の顔と秘書たちの会話が頭の中を巡っていた。
「昼食をお持ちしてよろしいでしょうか?」
「ええ」
「午後のスケジュール確認は食後にいたしますか?」