鉄の女社長は離婚したいのに人たらし御曹司に溺愛される
来年の四月から山城建設に入社が決まっており、今週から二週間インターンシップで働くことになっている。

妹の顔を思い浮かべると、昨日の美味しいラーメンの記憶が台無しになるような苦みを感じた。

姉の目から見ても唯華は美人だ。

継母に似たパッチリと大きな目が印象的で美容やファッションに手を抜かず、いつも華がある。

髪形はよく変えているが、今はややウェーブのついた明るい茶色のミディアムボブヘアだ。容姿は優れていても、性格は残念としか言いようがない。

ひと言でいうと女王気質で、努力や謙虚、思いやりといった言葉は妹の辞書にはなさそうだ。

一緒に暮らしていた時は絢乃を見下し、散々バカにして嫌がらせもしてきた。

父親がいる前では控えるので確信犯だろう。

そんな父は唯華を甘やかし、お願いされるとなんでも買い与えていた。

絢乃には厳しいが、唯華のワガママは可愛いようだ。

山城建設に入社させると決めたのも父である。

唯華が指示に従って真面目に働けるのか不安しかなかったが、予想通り――いや、それ以上の仕事ぶりが大野から伝えられた。

「第二事業部の指導担当の社員に話を聞いてきました。『目に余る態度で困っています』とのことです」

出勤時間を守ったのは初日だけで、この三日間は重役出勤だという。

仕事を指示すれば『難しすぎる』と文句を言い、簡単な数値入力だけさせていると『つまらない』と途中で投げ出すそうだ。

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