鉄の女社長は離婚したいのに人たらし御曹司に溺愛される
彼がいつも自然体でいるので、絢乃も家の中ではラフなスタイルに変えた。
寝化粧をしなくなったのは十日ほど前からだ。
最初は素顔を見られるのが恥ずかしかったが、昴が無反応なのですぐに気にならなくなった。
気づいていないだけかもしれないが、彼のことだから絢乃が楽に過ごせるようにあえてなにも言わないでいてくれた気がした。
部屋着姿でノーメイクの絢乃が、キッチンから返事をする。
「おはよう。朝食ができたところよ。この前、昴さんに教わったフレンチトーストを作ったの。うまくできたと思うけど、どうかしら?」
キッチンに来た昴が、二枚の白い皿を見た。
厚切りの食パンはほんのり焦げ目がつき、ふんわりと焼き上がっている。
粉糖をふりかけ、ミントの葉を添えた。
はちみつはお好みで。
バターと甘い香りが広がっていた。
「店で出てくるようにきれいだ」
フォークを出した昴が立ったまま味見をし、親指を立てた。
「抜群に美味しい。絢乃さんはフレンチトーストの名人だな」
「先生が優秀なのよ」
フフッと笑った絢乃の頬に、昴の片手が触れた。
(朝からスキンシップ?)
鼓動を高まらせつつも、あとにしてほしいと思った。
せっかく上手にできたから焼き立てのうちに食べてほしいのだ。
頬をサッと撫でるように、彼の手が離れていく。
気持ちが通じたかと思ったが、違うようだ。
「粉糖がついてた」
「あっ、拭いてくれただけだったのね」
「もしかして、私も食べてという意味だった?」
寝化粧をしなくなったのは十日ほど前からだ。
最初は素顔を見られるのが恥ずかしかったが、昴が無反応なのですぐに気にならなくなった。
気づいていないだけかもしれないが、彼のことだから絢乃が楽に過ごせるようにあえてなにも言わないでいてくれた気がした。
部屋着姿でノーメイクの絢乃が、キッチンから返事をする。
「おはよう。朝食ができたところよ。この前、昴さんに教わったフレンチトーストを作ったの。うまくできたと思うけど、どうかしら?」
キッチンに来た昴が、二枚の白い皿を見た。
厚切りの食パンはほんのり焦げ目がつき、ふんわりと焼き上がっている。
粉糖をふりかけ、ミントの葉を添えた。
はちみつはお好みで。
バターと甘い香りが広がっていた。
「店で出てくるようにきれいだ」
フォークを出した昴が立ったまま味見をし、親指を立てた。
「抜群に美味しい。絢乃さんはフレンチトーストの名人だな」
「先生が優秀なのよ」
フフッと笑った絢乃の頬に、昴の片手が触れた。
(朝からスキンシップ?)
鼓動を高まらせつつも、あとにしてほしいと思った。
せっかく上手にできたから焼き立てのうちに食べてほしいのだ。
頬をサッと撫でるように、彼の手が離れていく。
気持ちが通じたかと思ったが、違うようだ。
「粉糖がついてた」
「あっ、拭いてくれただけだったのね」
「もしかして、私も食べてという意味だった?」