鉄の女社長は離婚したいのに人たらし御曹司に溺愛される
二品、三品用意できるほど料理の腕は上達していないが、さっぱりしたものもほしくなる。

すると昴が冷蔵庫からキウイを出し、手早くカットしてくれた。

「君の料理をよりおいしく食べるために、これもどうぞ」

「ありがとう」

(昴さんは、私の気持ちが読めるのかしら?)

顔に出てしまっている気がして頬に触れたが、先ほどのキスを思い出して照れくさくなっただけだった。

コーヒーも飲み終えて、昴が言う。

「ふたりとも完全にオフなのは珍しいよな。せっかくだからデートしない?」

独身の男女がレジャーや食事に出かけることをデートと呼ぶのだと思っていたので、目を瞬かせた。

「結婚してるのに?」

「夫婦がデートしてもいいだろ。深く考えず、一緒に楽しもうということだよ」

三日前に大野からもらったアドバイスを思い出した。

『難しく考えず、パートナーと一緒に過ごせる時間を楽しまれてはいかがでしょう』

(デートを楽しめば、恋愛感情が湧くのかしら?)

「いいわよ。私もあなたとデートしてみたいわ」

「決まりだな。どこに行こうか。ショッピング、映画、テーマパーク、美術館、海、それ以外でも」

ショッピングはひとりの方が選びやすい気がするし、仕事の一貫で映画の試写会に招待されることもある。

テーマパークには行ったことがないからか興味が湧かない。

水族館か海かと考え、子供の頃に母と行った海が頭に浮かんだ。

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