鉄の女社長は離婚したいのに人たらし御曹司に溺愛される
大野からそれを聞かされた時に面倒な予感はしていたが、どうやら当たってしまったらしい。
(母親を味方にして、ふたりがかりで昴さんを譲れと言ってくるのかしら……)
実家に住んでいた時、妹には様々なものを奪われてきた。
施錠するようにしていたが隙をついて入られ、『ちょっと貸して』となんでも持っていかれた。
買ったばかりの文房具に本、バッグに洋服、ヘアアクセサリー。和志から誕生日にもらったガラスの小物入れを取られた時は悲しかった。
それらは無事には戻ってこない。
飽きるとわざわざ壊してから返されるのだ。
絢乃が自分よりいいものを持っているのが許せないのだろう。
継母は唯華を止めず、それどころか姉は妹になんでも譲るべきという態度だった。
思わず眉根を寄せて受話器を受け取ると、昴に心配される。
「出かけたと言おうか?」
「何度でもかかってきそうだから今出るわ。大丈夫よ。用件はわかってる」
保留を解除して「はい」と電話に出ると、開口一番に文句を言われた。
『出るのが遅いわよ。お待たせしましたくらい言えないの?』
「ご用件は?」
『相変わらず愛想がないわね。まぁいいわ。話があるから、昼過ぎにうちにいらっしゃい』
「今日は予定があるので、電話で伺います」
『電話でするような話じゃないから呼んだのよ。予定はキャンセルしてこちらを優先して。来ないと承知しないわよ』
電話が切れて受話器を置いた。
こちらの都合などお構いなしの身勝手さに呆れる。
(母親を味方にして、ふたりがかりで昴さんを譲れと言ってくるのかしら……)
実家に住んでいた時、妹には様々なものを奪われてきた。
施錠するようにしていたが隙をついて入られ、『ちょっと貸して』となんでも持っていかれた。
買ったばかりの文房具に本、バッグに洋服、ヘアアクセサリー。和志から誕生日にもらったガラスの小物入れを取られた時は悲しかった。
それらは無事には戻ってこない。
飽きるとわざわざ壊してから返されるのだ。
絢乃が自分よりいいものを持っているのが許せないのだろう。
継母は唯華を止めず、それどころか姉は妹になんでも譲るべきという態度だった。
思わず眉根を寄せて受話器を受け取ると、昴に心配される。
「出かけたと言おうか?」
「何度でもかかってきそうだから今出るわ。大丈夫よ。用件はわかってる」
保留を解除して「はい」と電話に出ると、開口一番に文句を言われた。
『出るのが遅いわよ。お待たせしましたくらい言えないの?』
「ご用件は?」
『相変わらず愛想がないわね。まぁいいわ。話があるから、昼過ぎにうちにいらっしゃい』
「今日は予定があるので、電話で伺います」
『電話でするような話じゃないから呼んだのよ。予定はキャンセルしてこちらを優先して。来ないと承知しないわよ』
電話が切れて受話器を置いた。
こちらの都合などお構いなしの身勝手さに呆れる。