鉄の女社長は離婚したいのに人たらし御曹司に溺愛される
さすがにワガママが過ぎると父が注意するたびに、可愛く泣いて許してもらうのが唯華のやり方だ。
そんな姑息な手に昴はひっかからないと信じたいが、絢乃から聞いた印象よりはいいと感じるかもしれない。
嘘をついて妹を貶めたと思われると悲しい。
「君の助けになりたかったんだが……わかった」
窓辺に立つ昴の顔が寂しげに見えたのは気のせいか。
急に張り出した雲のせいで日が陰ったからだと思うことにした。
昼過ぎになり、親友のマスコット人形だけをポケットに忍ばせて玄関でパンプスを履いた。
「いってらっしゃい」
「ええ。そんなに遅くならないと思うけど、私のことは気にせず過ごしてね」
玄関まで見送ってくれた彼に笑顔はない。
最近は一方が出かける時には必ずしていたハグもなく、玄関ドアの外へ出た。
(気分を害してしまったかしら)
『君の助けになりたかった』と言った昴の寂しげな顔を思い出して申し訳ない気分にもなったが、それでもやはり巻き込みたくないという気持ちは変わらなかった。
タクシーに揺られること二十分ほどで、久しく足を踏み入れていなかった実家の門前に到着した。
下車して、深呼吸する。
(仕事の問題発生時に比べればなんでもないわ。言いたいだけ言わせて、断ればいいだけよ)
実家の築年数は四十年ほどだが、何度か大々的にリフォームしているのできれいな外観だ。
そんな姑息な手に昴はひっかからないと信じたいが、絢乃から聞いた印象よりはいいと感じるかもしれない。
嘘をついて妹を貶めたと思われると悲しい。
「君の助けになりたかったんだが……わかった」
窓辺に立つ昴の顔が寂しげに見えたのは気のせいか。
急に張り出した雲のせいで日が陰ったからだと思うことにした。
昼過ぎになり、親友のマスコット人形だけをポケットに忍ばせて玄関でパンプスを履いた。
「いってらっしゃい」
「ええ。そんなに遅くならないと思うけど、私のことは気にせず過ごしてね」
玄関まで見送ってくれた彼に笑顔はない。
最近は一方が出かける時には必ずしていたハグもなく、玄関ドアの外へ出た。
(気分を害してしまったかしら)
『君の助けになりたかった』と言った昴の寂しげな顔を思い出して申し訳ない気分にもなったが、それでもやはり巻き込みたくないという気持ちは変わらなかった。
タクシーに揺られること二十分ほどで、久しく足を踏み入れていなかった実家の門前に到着した。
下車して、深呼吸する。
(仕事の問題発生時に比べればなんでもないわ。言いたいだけ言わせて、断ればいいだけよ)
実家の築年数は四十年ほどだが、何度か大々的にリフォームしているのできれいな外観だ。