鉄の女社長は離婚したいのに人たらし御曹司に溺愛される
恋人はとっかえひっかえで、コバンザメのように金目当てで寄ってくる友人を従えているそうだ。

絢乃も両親も、唯華本人も目を見開いた。

「我が社の代理店で移転先を探していたホストクラブのオーナーからも、やけに羽振りのいい若い女性客の話を聞きました。その店のナンバーワンホストに高級車をプレゼントされたそうですね」

「わ、私じゃないわ!」

「国内最大手のマンション建設会社の会長令嬢と聞きましたが」

「お姉ちゃんだって会長令嬢よ。そうよ、お姉ちゃんがホストに貢いでるのよ!」

「へぇ、そうですか。それが妻だというのなら夫として潔白を証明するために調査しますね。夜の町で豪遊しているのが誰なのかを」

「そこまでしなくても……」

反論の言葉を失って、唯華が黙りこんだ。

自分だと認めたようなものである。

父がショックを受けたように額を押さえていた。

金遣いが荒いのはわかっていたと思うが、そういう遊び方をしているとは思っていなかったようだ。

「唯華。今日から門限を設ける。二十一時までに帰ってこい」

「そんなっ……パパまで私を悪者にして。もういいわよ。昴さんなんか、私の方からお断りよ」

唯華がリビングから出て行った。

手荒に閉められたドアの音に顔をしかめる。

「私も失礼するわ」

絢乃を横目で睨んでから、継母も続いた。

「醜態を見せてすまなかったな。昴くん、座ってくれ」

三人になったリビングで父にソファを勧められたが、昴が断った。

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