鉄の女社長は離婚したいのに人たらし御曹司に溺愛される
「いずれ嫁にいくとしても、一度くらいは社会経験が必要だろう。事業部が合わないなら、他の部署に変えてやれ。インターンはまだ一週間ある。唯華には休まず出勤するよう話すから、社内では絢乃が指導しなさい。どうすれば唯華が一生懸命に働くのか、お前が考えるんだ」

(私にあの子の指導担当をやれというの?)

唯華が言うことを聞くとは思えないし、社長業務を放置してつきっきりになるわけにもいかない。

不真面目な態度は、部署が合うかどうかの問題でもない。

言いたいことは山ほどあるが、意見するのを諦めた。

昴がいてくれたから怒り出しはしなかったが、独裁的な父はやはり絢乃の意見を聞く気はないのだ。

入社を阻止できないのはわかったので、これ以上話しても意味はない。

(どうしよう。あの子を私の秘書にしてなにもさせずに座らせておくか、もしくはリモート勤務という形にしてやってもやらなくてもいい仕事をさせるか。社員に迷惑をかけない方法はそれくらいしか思いつかないわ)

「わかりました」

父にそう言ってドアへと爪先を向けたが、昴に腕を掴まれた。

振り返ると彼は、鋭い視線を父に向けていた。

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