鉄の女社長は離婚したいのに人たらし御曹司に溺愛される
「そういうあなたは残念なお客様のようだ」
隣にヌッと影がさした。
見上げるほどの高身長で筋骨隆々のラウンジスタッフが男を睨んでいる。
急に大人しくなった男は、消え入りそうな声で謝って逃げるようにラウンジを出て行った。
ラウンジスタッフにお礼を言ってチップを渡し下がってもらったあとは、気まずい空気が流れる。
いや、なにから話そうかと目を泳がせているのは絢乃だけのようだ。
「大丈夫だった?」
昴には少しの焦りもなく、いつもの彼らしい優しさで心配するだけだ。
(もしかして、私の勘違い……?)
「怪我はないわ。被害は服だけよ」
「その服はどうにかしないといけないな。その前に、紹介だけさせてくれ」
彼が視線を向けた先にはブロンドヘアの女性がいた。
こちらを気にしている彼女の方へ連れて行かれる。
椅子から下りてくれた女性と対面すると、遠目で感じたよりずっと年齢が高いのがわかった。
四十代後半か、もっと上かもしれない。
「妻の絢乃です。彼女は我が社の取引先でもある山城建設の社長を務めています」
「まぁ、はじめまして奥様。山城建設のお名前を聞いたことはあります。お会いできて嬉しいわ」
「こちらこそ」と答えて笑顔で握手をかわしたのは、ビジネスの匂いを感じたからだ。
聞かずとももうわかっている。
彼女は昴の商談相手だ。
(浮気を疑うなんて私はバカね。情けなくて昴さんには言えないわ)
隣にヌッと影がさした。
見上げるほどの高身長で筋骨隆々のラウンジスタッフが男を睨んでいる。
急に大人しくなった男は、消え入りそうな声で謝って逃げるようにラウンジを出て行った。
ラウンジスタッフにお礼を言ってチップを渡し下がってもらったあとは、気まずい空気が流れる。
いや、なにから話そうかと目を泳がせているのは絢乃だけのようだ。
「大丈夫だった?」
昴には少しの焦りもなく、いつもの彼らしい優しさで心配するだけだ。
(もしかして、私の勘違い……?)
「怪我はないわ。被害は服だけよ」
「その服はどうにかしないといけないな。その前に、紹介だけさせてくれ」
彼が視線を向けた先にはブロンドヘアの女性がいた。
こちらを気にしている彼女の方へ連れて行かれる。
椅子から下りてくれた女性と対面すると、遠目で感じたよりずっと年齢が高いのがわかった。
四十代後半か、もっと上かもしれない。
「妻の絢乃です。彼女は我が社の取引先でもある山城建設の社長を務めています」
「まぁ、はじめまして奥様。山城建設のお名前を聞いたことはあります。お会いできて嬉しいわ」
「こちらこそ」と答えて笑顔で握手をかわしたのは、ビジネスの匂いを感じたからだ。
聞かずとももうわかっている。
彼女は昴の商談相手だ。
(浮気を疑うなんて私はバカね。情けなくて昴さんには言えないわ)