鉄の女社長は離婚したいのに人たらし御曹司に溺愛される
催促しながらも、絢乃が言おうとするとキスで邪魔してくる。

困っている絢乃を楽しんでいる様子に、今度は意思を持ってキスを拒んだ。

「もうっ。あなたのそういうところが――」

「好きじゃない?」

目を弓なりにした彼が、甘く囁くように言った。

悔しいけれど、彼の言動のなにもかもが絢乃の胸を高鳴らせる。

「好きよ。大好き」

口にしてみたが、抱いている想いより軽い気がして言い直す。

「あなたを愛してる。どうしようもないくらい惹かれてるわ」

告白の余韻を味わっているかのように、昴が目を閉じた。

その口元がほころんでいて絢乃も嬉しくなったが、彼が目を開けると心臓が大きく波打った。

いつもは精悍な瞳が今は熱っぽく、色気を全身から醸している。

熱い吐息が絢乃の唇をかすめた。

欲情を隠さない獣のような視線にからめとられる。

「ありがとう。俺も愛してる」

喜びでゾクゾクした次の瞬間、抱え上げられてベッドに運ばれた。

驚きが消えないうちに組み敷かれ、妖艶な微笑を仰ぎ見た。

逃がさないという強い意思を肌で感じ、鼓動を高まらせる。

「逃げないわよ」

「度胸があるな」

「そうじゃないわ。怖いけど、それよりも嬉しいのよ。あなたと心も体も結ばれたい」

「健気なことを言わないでくれ。抑えがきかなくなる」

バスローブの紐を解かれ、裸を見られた。

大きな手が絢乃の肌をすべり、キスの雨が降り注ぐ。

< 197 / 237 >

この作品をシェア

pagetop