鉄の女社長は離婚したいのに人たらし御曹司に溺愛される
壁の一面が石積み風のデザインで現代風の暖炉あり、観葉植物や間接照明、絵画に洋書などすべて一流のインテリアコーディネーターが整えたのでモデルルーム以上にハイセンスだ。

そのコーディネーターは昴の会社の取引先でもある。

お互いの会社が手掛けた物件だが正規の価格で購入し、全額負担したいという彼の申し出を断って折半にした。

生活費や共有しているものにかかる費用はすべて半分ずつにしようと約束している。

夫に頼るのは絢乃のプライドが許さない。

そんなことをすれば彼に遠慮して意見しにくくなり、結果としてマイナスだからだ。

昴は今、バスルームにいる。

お先にどうぞと言われたがゆっくりと湯船に浸かる気分になれず、バスルームとは別にあるシャワールームでさっと汗を流した。

(落ち着かない気分だわ……)

真新しい下着とネグリジェを身に着け、その上に薄い生地のガウンを羽織る。

いつもはしないが寝化粧も施してからリビングに戻った。

ダイニングのウォーターサーバーで水を飲み、ふたり掛けのソファに座る。

タブレットで経済ニュースを読むのは帰宅後のルーティンのひとつだが、今夜は内容が頭に入らない。

静かな部屋の中で微かに聞こえる浴室のボイラー音が気になって仕方ない。

(覚悟はとっくに決めてるのに、いざとなると怖いものなのね)

交際経験がないのでバージンだ。

これから破瓜を迎えると思うと、どうしても不安になる。

しかも昴はまだよく知らない男性だ。

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