鉄の女社長は離婚したいのに人たらし御曹司に溺愛される
「そうでもないですが、ありがとう」
彼も笑みを返してくれたので、気分を害してはいないようだ。
足元を気にしながら橋を渡り終えた。
菖蒲は池のほとりを紫に染めていて圧巻だ。
「千本はありそうですね。普段、たくさんの花を見る機会がないから新鮮に感じます。絢乃さんは?」
「私も同じです。応接室に飾ってあるフラワーアレジメントか、なにかの式典やレセプションでの花束くらいしか見ないです」
「花束、もらう時は大量ですよね。そのあとどうしてますか?」
「我が社の秘書はお花が好きな女性が多いので、分けて持って帰ってもらっています。私はひとり暮らしですし、家にいる時間も少ないので飾ってもあまり意味がないんです」
「わかるな。花束を自宅に飾るより、こうやって誰かと外で鑑賞する方がいい。今日は絢乃さんと見られて嬉しいです」
「私もそう思います」
話が合うのではなく、合わせただけだ。
微笑みを交わしたあとは、視線を菖蒲に戻してスッと真顔に戻った。
心を開くつもりはない。
きっと彼もそうだろう。
この結婚が決まった理由はふたつあるが、メインはビジネスだ。
山城建設が建てたマンションを彼の会社が買って分譲や賃貸で販売する。
今までもそうだったが、この結婚でより太いパイプができる。
そこに彼もメリットを感じたから、よく知らない絢乃と結婚を決めたのだろう。
彼と会うのは今日が二度目で、初対面は半年ほど前である。
彼も笑みを返してくれたので、気分を害してはいないようだ。
足元を気にしながら橋を渡り終えた。
菖蒲は池のほとりを紫に染めていて圧巻だ。
「千本はありそうですね。普段、たくさんの花を見る機会がないから新鮮に感じます。絢乃さんは?」
「私も同じです。応接室に飾ってあるフラワーアレジメントか、なにかの式典やレセプションでの花束くらいしか見ないです」
「花束、もらう時は大量ですよね。そのあとどうしてますか?」
「我が社の秘書はお花が好きな女性が多いので、分けて持って帰ってもらっています。私はひとり暮らしですし、家にいる時間も少ないので飾ってもあまり意味がないんです」
「わかるな。花束を自宅に飾るより、こうやって誰かと外で鑑賞する方がいい。今日は絢乃さんと見られて嬉しいです」
「私もそう思います」
話が合うのではなく、合わせただけだ。
微笑みを交わしたあとは、視線を菖蒲に戻してスッと真顔に戻った。
心を開くつもりはない。
きっと彼もそうだろう。
この結婚が決まった理由はふたつあるが、メインはビジネスだ。
山城建設が建てたマンションを彼の会社が買って分譲や賃貸で販売する。
今までもそうだったが、この結婚でより太いパイプができる。
そこに彼もメリットを感じたから、よく知らない絢乃と結婚を決めたのだろう。
彼と会うのは今日が二度目で、初対面は半年ほど前である。