鉄の女社長は離婚したいのに人たらし御曹司に溺愛される
二十代半ばくらいだろうか、小花柄のワンピース姿でストレートのボブヘアの髪色は明るい。丸顔で目がパッチリとした可愛らしい女性だ。

(どなた?)

戸惑いがちに会釈され、絢乃も頭を下げる。

「こんばんは。お客様がいらしているなら、私は別の日に――」

伯母を見ながら言うと、和志が照れくさそうな顔で口を挟んだ。

「絢乃にも紹介したかったから、ちょうどよかったんだ。俺の彼女の美沙。だんじりで知り合った話、前にしただろ?」

「ええ。そうなの。お兄ちゃんの恋人……」

どうやら家族に初めて紹介する日だったようだ。

夕食メニューがすき焼きである理由に納得して頷く。

一方で美沙は不思議そうな顔をしていた。

「妹さんがいたの?」

「ああ」

和志が平然と頷いただけだったので、絢乃が訂正する。

「山城絢乃と申します。子供の頃からお兄ちゃんと呼んでいますが、私は従妹なんです。この家も実家のように思っていますので、たまにこうして帰ってきます。美沙さん、お会いできて嬉しいです。これからどうぞよろしくお願いします」

(結婚を考えているのかしら?)

家族に紹介するほどなのだからと期待した。

和志の性格なら賑やかで幸せな家庭を築けるだろう。

すると、それ以上のことを伯母に教えられる。

「来月の美沙さんの誕生日に婚姻届を出すんですって。実はね、美沙さんのお腹に赤ちゃんがいるのよ」

「えっ、赤ちゃん?」

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