鉄の女社長は離婚したいのに人たらし御曹司に溺愛される
「絢乃ちゃんは子供の頃から賢かったわ。きっと立派に社長をやっているんだと思うけど、忙しくてちゃんと食べていないんじゃない? ウエストなんて細くて折れちゃいそうよ」

お腹を触られ、くすぐったくて笑った。

「折れるほどじゃないわ。会社ではコーヒーだけですませる日もあるけど、最近は自宅でけっこう食べてるのよ」

気の利く昴が食材を色々と購入して冷蔵庫に入れてくれている。

彼がいない時に料理らしい料理はしないが、今まではロールパンとカップスープだけだった朝食にフルーツやサラダチキンをつけるようになった。

彼とスケジュールが合った日は料理を教えてもらえるので、しっかりとした食事を一緒に作って食べている。

ここ半月ほどの食生活はかなりまともになった気がした。

ふと昴とたこ焼きをしたのを思い出し、箸を止めた。

(三条家での賑やかな食卓と似てる)

だから楽しかったんだと納得していると、美沙に遠慮がちに声をかけられた。

「あの、絢乃さんはおひとりで暮らしていらっしゃるんですか? ご実家のように思っていると言われましたけど、こちらの家には、その……」

「美沙さん、もっと気軽に話してください。私は結婚して夫とふたり暮らしなんです」

「ご結婚されているんですか」

なぜか美沙がホッとしたような顔をした。

和志がいつものふざけた調子でからかってくる。

「新婚ほやほや。家でイチャついてんのか?」

「しないわよ。親の紹介での結婚だから、ドライな関係よ」

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