酔って寝てたら保護されましたが、これが恋の始まりだなんて聞いてません〜警察官の甘やかな独占欲に包まれて〜
財布を確認し終えた瀬戸は、再び立ち上がって奈緒に視線を落とした。
彼女は相変わらず椅子の上でゆらゆらと揺れている。

「少しでも酔いを覚ましたほうがいい。水でも飲んだらどうですか」

そう言うと、奈緒はにっこり笑って――

「じゃあ、お巡りさん、水買ってー」

即答だった。

瀬戸は一瞬だけ目を閉じてから、無感情に答える。

「買いません。自分で買ってください。交番の前に自販機ありますから」

奈緒は、ぽかんとした顔で瀬戸を見上げた。
そして次の瞬間――

「じはんき? なにそれ、うけるー!」

ケタケタと、子どものように笑い出す。
体をくねくね揺らしながら。

瀬戸は、無言で目線を逸らした。
笑っている意味も、テンションの高さも、まるで理解不能だった。

──とりあえず、酔いがさめるまでは帰せない。
もう少し、この相手に付き合わないといけないらしい。
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