酔って寝てたら保護されましたが、これが恋の始まりだなんて聞いてません〜警察官の甘やかな独占欲に包まれて〜
その日から、奈緒は業務量が少なく見積もっても倍のような状況だった。

都丸からの引き継ぎ資料を読み込み、取材先の情報を整理し、スケジュールを調整する。

同時に、自分が抱えていた案件の社会部への再割り振りを進め、後輩記者への指示も行う。

気がつけば、息をつく暇もなく、時間だけが驚くほど速く過ぎていった。

目の回るような忙しさだったが、奈緒は一つ一つの仕事に全力で向き合った。

ミスを恐れず、段取りを考え、優先順位を見極め、細かい確認を怠らない。

その中には、確かな手応えがあった。

これまで積み上げてきた経験が生きていると実感できる瞬間が、いくつもあった。

そして、頭の片隅にいつもあの人の姿があった。
再び仕事として関われる日が近づいている。

そう思うと、疲れなんて感じないほどに、自然と集中力が増していった。
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