酔って寝てたら保護されましたが、これが恋の始まりだなんて聞いてません〜警察官の甘やかな独占欲に包まれて〜
食事を終え、ナプキンを畳んでテーブルに置くと、中島が席を立ちながら口を開いた。
「水原さん、パトロールでの同行は、時に危険な状況になる場合もありますから」

奈緒は、すっと顔を上げて耳を傾けた。

「その時は、現場の警察官の指示に必ず従ってください。また、基本的には“自分の身は自分で守る”ということになっていますので、危ないと思ったら、ためらわずに逃げてください」

その言葉には、軽さはなかった。
冗談めかすでもなく、あくまで冷静に、それでも奈緒の目をしっかりと見据えていた。

奈緒は一瞬、身の引き締まる思いがした。
「はい、わかっています。十分に周囲に目を配って、無理のない取材活動を行うつもりです」

そう答えた自分の声にも、気づけばわずかな緊張がにじんでいた。

中島はその様子に安心したように目を細め、
「それは安心だ」と言って笑った。

二人はほぼ同時に店を出る。
外の空気が冷たく、背筋を伸ばすように感じられた。
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