酔って寝てたら保護されましたが、これが恋の始まりだなんて聞いてません〜警察官の甘やかな独占欲に包まれて〜
瀬戸は、当たり前のように奈緒の横に腰掛けると、手にしていた温かいほうじ茶のキャップを開けて、「はい」と言わんばかりに、とんと奈緒の前に置いた。

目が合うと、瀬戸は少し眉尻を下げて、「すぐに助けられなくてすみませんでした。これ、お詫びです」と、優しく笑った。

その笑顔に、胸がふわりと揺れた。

責任感の強い人なのだ。

自分を責めて、こうして静かに気遣ってくれる。
それなのに、自分は何もできなかった。

情けなくて、悔しくて、でも。

こんなふうに誰かに優しくされたのは、いつぶりだろう。

瀬戸さんの横顔を見ながら、胸の奥にじんと温かいものが差し込む。

それは安心なのか、甘えなのか、憧れなのか――わからない。

けれど、確かに今、心がぎゅっとなるほどに、惹かれている。

ただのお茶なのに、こんなにも嬉しくて、切なくて、泣きたくなるなんて。

淡くて、苦くて、優しい――そんな気持ちが胸の中に広がっていった。
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