酔って寝てたら保護されましたが、これが恋の始まりだなんて聞いてません〜警察官の甘やかな独占欲に包まれて〜
ドアが開き、瀬戸が無言で交番の中へ戻ってきた。
手には、冷えたペットボトルの水。

「どうぞ」

奈緒の前に、そっと差し出す。
奈緒は嬉しそうに顔をほころばせ、両手でボトルを受け取った。

「わぁ、ありがと〜」
キャップに手をかける。が――

「……んん……」

うまく開かない。
手元がふらついて、力が入らない様子。

瀬戸は一瞬だけ視線を伏せて、それから無言でペットボトルを受け取った。
くるり、と一回転。
小さく音を立てて、キャップが開いた。

「はい」

「お巡りさん、ありがと〜……」

ニコッと笑ったその口元から、ぽろりと落ちた言葉。

「……好き。」

瀬戸は一瞬だけ瞬きをしたが、何も言わなかった。

そのまま視線を交番の外に向ける。
タクシーのライトが、そろそろ見える頃か――
そう思いながら、夜の静けさの中に意識を逃がした。
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