酔って寝てたら保護されましたが、これが恋の始まりだなんて聞いてません〜警察官の甘やかな独占欲に包まれて〜
交番取材ともう一つの道
奈緒は新聞社に出社してすぐ、上司の狩野に呼ばれた。
「ちょっと会議室来てくれる?」と静かな声。
会議室に入って椅子に腰を下ろすと、狩野は腕を組んで切り出した。
「交番密着取材、なんか襲われたんだって? 樋口所長から謝罪の電話があったよ」
奈緒は少し身を固くして、事の経緯を丁寧に説明した。
狩野は聞き終えると渋い顔をして言った。
「……気をつけてよ、本当に。命あっての取材だから」
奈緒はうなずいて、「はい、お騒がせしてすみません」と素直に頭を下げた。
「で、今日呼んだのは、交番のことじゃないんだ」
狩野の口調が変わる。
奈緒は自然と背筋を伸ばした。
「実はね、うちの親会社の東京日報、知ってるよね?」
「はい」
「その東京日報の社会部に、一つポストが空いてね。
うちの幹部連中で話し合った結果、君を推薦したいってことになった」
奈緒は思わず目を見開いた。
東京日報。全国紙であり、政治や経済を広く扱う、言わば新聞記者の頂点。
その社会部に、今自分が異動の話をもらっているというのか。
「またとないチャンスだよ」
奈緒は、胸の奥が高鳴るのを感じながら、「ありがとうございます」と小さく声を発した。
「で、今追ってる交番の密着取材、どうするかだけど」
奈緒は少し考えてから、「3月いっぱいで一区切りになる予定です。
でも、私が抜けたらご迷惑をおかけするかもしれません」と口にする。
狩野は笑って首を振った。
「そこは大丈夫。他にもやりたいって子いるし、引き継げばいい。
中島さんは俺が丸め込むから、心配しないで」
「……ありがとうございます」
「回答は今週中にちょうだい。迷っていい。でも、しっかり考えてね」
奈緒は静かにうなずき、会議室を後にした。
「ちょっと会議室来てくれる?」と静かな声。
会議室に入って椅子に腰を下ろすと、狩野は腕を組んで切り出した。
「交番密着取材、なんか襲われたんだって? 樋口所長から謝罪の電話があったよ」
奈緒は少し身を固くして、事の経緯を丁寧に説明した。
狩野は聞き終えると渋い顔をして言った。
「……気をつけてよ、本当に。命あっての取材だから」
奈緒はうなずいて、「はい、お騒がせしてすみません」と素直に頭を下げた。
「で、今日呼んだのは、交番のことじゃないんだ」
狩野の口調が変わる。
奈緒は自然と背筋を伸ばした。
「実はね、うちの親会社の東京日報、知ってるよね?」
「はい」
「その東京日報の社会部に、一つポストが空いてね。
うちの幹部連中で話し合った結果、君を推薦したいってことになった」
奈緒は思わず目を見開いた。
東京日報。全国紙であり、政治や経済を広く扱う、言わば新聞記者の頂点。
その社会部に、今自分が異動の話をもらっているというのか。
「またとないチャンスだよ」
奈緒は、胸の奥が高鳴るのを感じながら、「ありがとうございます」と小さく声を発した。
「で、今追ってる交番の密着取材、どうするかだけど」
奈緒は少し考えてから、「3月いっぱいで一区切りになる予定です。
でも、私が抜けたらご迷惑をおかけするかもしれません」と口にする。
狩野は笑って首を振った。
「そこは大丈夫。他にもやりたいって子いるし、引き継げばいい。
中島さんは俺が丸め込むから、心配しないで」
「……ありがとうございます」
「回答は今週中にちょうだい。迷っていい。でも、しっかり考えてね」
奈緒は静かにうなずき、会議室を後にした。