酔って寝てたら保護されましたが、これが恋の始まりだなんて聞いてません〜警察官の甘やかな独占欲に包まれて〜
懇親会がお開きになり、ひとり、またひとりと店を後にしていく中。

奈緒は立ち上がりかけては座り直し、別れるのが惜しくて、瀬戸たちの様子をちらちらと伺っていた。

すると瀬戸がふと思い出したように、「そういえば、連絡先を」と言ってスマホを取り出した。

無駄のない手つきでバーコードを表示し、奈緒のスマホで読み込ませ、手際よく連絡先を登録していた。

奈緒は酔いが覚め切らず、ふわふわとした気持ちのまま、恥ずかしげもなく聞いてしまった。
「次、いつ会えますか?」

瀬戸は少し目を見開いてから、「来週中にはご連絡します」と応えた。

その言葉に、奈緒は即座に反応した。
「来週中じゃ嫌です。明日がいいです」

すかさず川合が、「そうだ、明日会え」と茶々を入れてくる。

瀬戸は苦笑しながら、「明日は仕事なので……明けの昼間なら会えますよ。僕は徹夜ですけど」と笑った。

奈緒は子供みたいに目を輝かせて、「やったー」と無邪気に喜んだ。

その様子に、川合と松崎は思わず目を逸らした。

瀬戸はそんな奈緒に目を細めて、「そういう顔、やめた方がいいですよ。連れ込まれますよ」と真顔で言った。

奈緒はむすっとして、「もう帰ります」とそっぽを向いた。

瀬戸は立ち上がって、「じゃあ、タクシー拾いますね」と穏やかに言う。

奈緒はぷいと顔を背けたまま、「いつまでお巡りさんモードなんですか」とぼやく。

瀬戸は肩をすくめて、「そうさせてるのは、あなたでしょう?」と呆れたように笑った。

そのやりとりを見て、松崎と川合はにやにやしながら、微笑ましく見守っていた。
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