酔って寝てたら保護されましたが、これが恋の始まりだなんて聞いてません〜警察官の甘やかな独占欲に包まれて〜
「あの、今日は転勤先……教えてもらえるんですか?」
プリンを食べ終えた頃、奈緒は少し緊張した声で尋ねた。

「はい、今日から解禁です」
瀬戸は姿勢を崩さず、穏やかな声で言った。

「前に言っていた、霞が関の本部に移動になります」

「近いでしょ?」
そう言って笑った瀬戸の顔は、どこか誇らしげで、でも照れくさそうでもあって。

奈緒は、その表情がとても愛おしく感じて、思わず触れてしまいたい衝動に駆られた。
指先が机の上でそっと浮きかけて、奈緒は慌てて手を引っ込めた。

「はい、近いどころか……ほぼ同じですね」

そう返すと、瀬戸はじっと奈緒の顔を見つめた。
まるで何かを確かめるように、目を細めて。

「……触れたいって思ってます?」

図星を突かれた奈緒は、目をぱちぱちさせて、えっと、いや、そんなことは、としどろもどろになる。

瀬戸は小さく笑って、立ち上がった。
「他のお店、行きますか」

奈緒は視線を伏せたまま、小さく「はい」とだけ答えた。
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