酔って寝てたら保護されましたが、これが恋の始まりだなんて聞いてません〜警察官の甘やかな独占欲に包まれて〜
奈緒は、拓真の肩に頬を寄せたまま、下から見上げて囁くように言った。
「拓真くん、ほんとに好き。世界一好き」

その言葉に、拓真の腕に軽く力が入る。
視線を落として奈緒を見ると、優しさの奥にほんのりとした緊張感をにじませて、低い声で言った。

「……この状態で、そんなこと言って無事でいられると思ってるの?」

奈緒は頬を赤らめながら、でもわざとらしく無垢な顔をして返す。
「無事じゃなくてもいいし」

拓真は思わず吹き出し、奈緒の頭を軽くポンポンと撫でた。
「……まだ、二回目のデートだからダメ」

奈緒はその言葉に、唇の端をきゅっと上げてニヤリと笑った。
「型にハマるタイプ? さすがお巡りさんって感じね」

拓真は少し眉を上げ、まっすぐな声で応じる。
「当たり前だろ。法に則って仕事してる」

奈緒はふーんと鼻を鳴らして、少し体を起こしながらも、腕を解かずに挑発するような上目遣いを向けた。
「……殻、破ってみればいいのに」

その目の奥には、愛しさといたずら心と、少しの勇気が混ざっていた。
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