酔って寝てたら保護されましたが、これが恋の始まりだなんて聞いてません〜警察官の甘やかな独占欲に包まれて〜
やがてインターホンが鳴り、デリバリーが届いた。
拓真が玄関で受け取り、手際よくテーブルに料理を並べる。

「ちょっと待ってて」と言って、キッチンの棚から赤ワインのボトルを取り出した。

「開けちゃおうか。これ、もらいものなんだけどずっと置きっぱなしでさ」

ワインオープナーを器用に扱い、静かにポンと栓が抜けた音がした。

グラスに注がれたワインは、ゆっくりと赤く満ちていく。

「じゃあ、改めて」
「かんぱーい」
グラスが軽く触れ合い、澄んだ音を立てた。

ローストビーフは想像以上に柔らかく、オムライスもとろりとした卵が絶品だった。

「はい、あーん」
奈緒がスプーンを差し出すと、拓真は少し照れたようにしながらも口を開けて受け取る。

「……うん、美味しい。てか、奈緒が食べさせてくれるの、最高」

「次、私もあーんってして」と奈緒が言うと、
「もちろんです、お姫様」と軽く笑ってスプーンを取る。

「はい、あーん」

口に入れられた一口に笑いながら、「甘やかされてる気がする」と奈緒がつぶやくと、

「だって可愛いんだもん。奈緒、ほんっとに可愛い。なんでそんなに可愛いの」

拓真は、まるで子どもをあやすみたいに頭をなで、頬にキスを落とした。

「甘やかしすぎ」と奈緒が笑うと、
「もっと甘やかすよ。ずっとこうしてたい」

温かい部屋と、幸せな食卓と、好きな人の笑顔。

奈緒は、その全部を胸に抱きしめるような気持ちで、もう一口、オムライスを頬張った。
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