酔って寝てたら保護されましたが、これが恋の始まりだなんて聞いてません〜警察官の甘やかな独占欲に包まれて〜
彼の顔がゆっくりと近づいてくる。奈緒はそれに気づきながらも、目を閉じて身を任せた。

耳元に、拓真の吐息がふわりと落ちる――それだけで、体の奥がじんわりと熱を帯びる。

「……ねえ、奈緒」
耳たぶのすぐそば、唇が触れるか触れないかの距離で、彼が囁いた。

「……どうされたい?」

その問いに答える前に、唇がふっと動き、耳の縁をかすめる。

柔らかな感触に、全身の神経がそこ一点に集まったように痺れる。

すぐにキスはこない。
ただ、息がかかる。

舌先でなぞられる――と見せかけて、それすら来ない。

「焦らされるの、嫌いじゃないだろ」

耳元で言われた瞬間、奈緒の背筋が大きく震えた。

思わず脚がすり寄ってしまうのを自覚しながら、奈緒は恥ずかしさと快感の狭間でかすかに声を漏らした。

「……拓真くん……」

その声を合図にしたかのように、彼の唇がそっと耳たぶに触れる。

ぬるりと舌が這い、そして、キス。

――ちゅ……っ。

濡れた音が耳奥にまで響き、理性がかき乱される。

甘く吸われるたび、奈緒の下腹部がじんわりと熱を持ち、奥がきゅうっと疼く。

「ここ、こんなに感じるんだ……可愛い」

耳元で囁かれながら、またキス。
今度は少し強く吸われ、舌先が耳穴の近くをそっと撫でる。

「や……っ……んっ……」

思わず声が漏れた。

こんなに乱れるのは、自分じゃないみたいで――でも、止められなかった。

むしろもっと触れてほしいと、体が勝手に求めてしまう。

彼の指先が、奈緒の首筋を撫で、鎖骨のラインをなぞりながら胸元へと滑る。

指先が生地越しに胸の輪郭を辿ると、ぴくんと全身が跳ねた。

「ちゃんと感じてるんだね……奈緒の全部が、俺を受け入れてくれてる」

言葉だけでなく、その声の低さ、唇の動き、吐息の熱――
すべてが奈緒の耳から脳を溶かしていく。

もう、自分の声さえ、どんなふうに漏れているのかわからない。

ただ、彼の唇が耳に触れるたび、全身が溶けていくように感じていた。

心も身体も、すでに彼のものになっている。

そう感じることが、たまらなく嬉しくて、恥ずかしくて、愛しかった――。
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