酔って寝てたら保護されましたが、これが恋の始まりだなんて聞いてません〜警察官の甘やかな独占欲に包まれて〜
杉崎の声が交番内に響いた瞬間――
空気が、ふと凍りついた。
瀬戸と川合の足が止まる。
ほんの一瞬、歩いていたリズムが狂ったように見えた。
ゆっくりと、二人の視線が奈緒の方へと向く。
まるでそこに時間が巻き戻されたかのように、静かで重い空気が交番内を包み込んだ。
奈緒は息を呑んだ。
手に持っていたペンが、かすかに震える。
さっきまでの「予感」が、「確信」へと変わったその瞬間。
(うそ……まじで……ほんとに、あの人……!)
あの夜、笑って、絡んで、ペットボトルのキャップを開けてもらって、
「好き」とまで言って――
記憶が容赦なく脳裏に再生される。
(きゃーーーーーー!!やばいやばいやばい)
自分の心の中でだけ叫び声が響いた。
顔が熱い。喉が渇く。逃げ出したい。
けれど、もう手遅れだった。
瀬戸も、川合も、はっきりと奈緒を認識していた。
そして――彼らの視線の先で、奈緒もまた、顔を引きつらせながら立ち上がる。
「こ、こんにちは……東京北都新聞の、水原奈緒です……」
なんとか平静を装って、名乗る。
声が少しだけ裏返った気がした。
誰も、返事をしなかった。
瀬戸の表情は無だった。
川合は、口元をわずかに引きつらせたようにも見える。
交番の中に、沈黙が走る。
何か異様な空気に気づいたのか、他の警察官たちもちらちらと視線を向けてくる。
(しんでしまいたい……)
恥ずかしさと緊張で、奈緒の鼓動はどんどん速くなる。
でも、その場を離れるわけにはいかなかった。
――記者だから。
――仕事だから。
そう何度も、自分に言い聞かせていた。
それでも、全身から滲み出る「いたたまれなさ」は、隠しようがなかった。
空気が、ふと凍りついた。
瀬戸と川合の足が止まる。
ほんの一瞬、歩いていたリズムが狂ったように見えた。
ゆっくりと、二人の視線が奈緒の方へと向く。
まるでそこに時間が巻き戻されたかのように、静かで重い空気が交番内を包み込んだ。
奈緒は息を呑んだ。
手に持っていたペンが、かすかに震える。
さっきまでの「予感」が、「確信」へと変わったその瞬間。
(うそ……まじで……ほんとに、あの人……!)
あの夜、笑って、絡んで、ペットボトルのキャップを開けてもらって、
「好き」とまで言って――
記憶が容赦なく脳裏に再生される。
(きゃーーーーーー!!やばいやばいやばい)
自分の心の中でだけ叫び声が響いた。
顔が熱い。喉が渇く。逃げ出したい。
けれど、もう手遅れだった。
瀬戸も、川合も、はっきりと奈緒を認識していた。
そして――彼らの視線の先で、奈緒もまた、顔を引きつらせながら立ち上がる。
「こ、こんにちは……東京北都新聞の、水原奈緒です……」
なんとか平静を装って、名乗る。
声が少しだけ裏返った気がした。
誰も、返事をしなかった。
瀬戸の表情は無だった。
川合は、口元をわずかに引きつらせたようにも見える。
交番の中に、沈黙が走る。
何か異様な空気に気づいたのか、他の警察官たちもちらちらと視線を向けてくる。
(しんでしまいたい……)
恥ずかしさと緊張で、奈緒の鼓動はどんどん速くなる。
でも、その場を離れるわけにはいかなかった。
――記者だから。
――仕事だから。
そう何度も、自分に言い聞かせていた。
それでも、全身から滲み出る「いたたまれなさ」は、隠しようがなかった。