酔って寝てたら保護されましたが、これが恋の始まりだなんて聞いてません〜警察官の甘やかな独占欲に包まれて〜
その後も取材は続いた。
星崎の説明は詳細で、要点を押さえたものだったが、奈緒の耳にはもう、遠くのノイズのようにしか聞こえなかった。

ペンを握る指先が冷たく、震えている。
額に滲む汗を、袖でそっと拭う。
だめだ、と思いながらも、気持ちだけで耐えていた。

(今ここで倒れたら、全部終わる)
(大丈夫、あと少し……あと、もう少しだけ……)

意識がぐらつく。
目の前の光景が、じわじわと波打ち始めた。

それでも──と、奈緒は気力を振り絞り、ノートを閉じる。
「本日は貴重なお話を……」と言おうとしながら、机に手をついて立ち上がる。

だが──

「この度は、あり……」

呂律が回らない。
頭の中で言葉が崩れて、目の前が砂嵐のように揺れる。

(まずい……)

その瞬間。
パチン、と音が鳴ったような感覚とともに、全ての光が消えた。

目の前が、真っ暗になった。
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